大多数の人が怖れるスピーチ

スピーチをする機会ってありますか?
大人になると、望むと望まないとに限らず、スピーチの機会は増える傾向にあると言えます。
どんなコミュニティに所属しても、自己紹介のスピーチを求められませんか?
あるいは、セミナーや勉強会に参加した際、自分の気づきを発表することも多いのではないでしょうか。

僕も、スピーチは苦手でした。
サークルでも会社でも、スピーチの機会はありました。
新卒で入社した会社では、朝礼で月に一回順番が回ってくる制度でした。
経営者の集まる勉強会や交流会でも、ことあるごとに1分ほどのスピーチを求められる。

スピーチの勉強はあまりしたくない!

しかし、僕は苦手でした。
スピーチの仕方なんて学校で習わなかったし。
スピーチを学びに行くとなると、きっと、「あいうえおあお」「かきくけこかこ」みたいな発生の練習だったり、
「隣の客はよく柿食う客だ」のような滑舌の練習だったりをさせられると思って(笑)。
行きたくありませんでした。

気づいてしまったスピーチで最も大切なこと

しかし、僕は営業職を経て、経営者になって、様々な人生の先輩方に出会い、スピーチを拝見する機会も増えました。
そして気づいてしまった!!
素敵なスピーチをされる方々に共通点があることに。

それは、【スピーチする場(組織)を意識して、感謝を伝えている】ところ。

どういうことでしょうか。

例えば、あなたが会社の営業部に所属していて、ショートスピーチをしなくてはならないときには、その営業部と部長に感謝する。
経理部だったら、経理部とその部長。
経営企画部だったら、その部と部長に感謝を伝えるスピーチ。

PTAでスピーチの機会を得られたら、会長とか校長に。
所属するサッカーサークルでスピーチの機会を得たら、サークル長に。
アルバイト先でスピーチの機会があれば、その職場と職場のトップに対して感謝を伝える。

これが、絶対のルールだったんです。
これを外してはならない。

なぜ『感謝のスピーチ』でなくてはならないのか?

2時間ほどのロングスピーチなら意識しなくとも感謝を伝える瞬間があるとは思いますが、
ショートスピーチではほとんどの人が「感謝のスピーチ」を入れられません。
「自分がこんなにもすごい実績がある!」とか、「私はこれほどまでに成長をした!」
などといった、『自慢のスピーチ』をしてしまう傾向にあります。

しかし、これでは、誰の心も動きません。
「ああ、良かったね」
「一人で仕事してると勘違いしてないか?」
と周囲に思われて終わり。
誰からの応援もサポートもこの先、得られないのです。
だから、スピーチは短ければ短いほど、『感謝のスピーチ』だけにしましょう。
それで充分。
これがマスト!
これであなたは、仕事で困ることはなくなります。
何故なら、あなたのサポーターがその組織内にできるからです。

「営業成績が昨年対比200%を達成できたのは、ひとえに、○○部長の熱心なご指導と、○○先輩のここぞという時のアドバイスがあったおかげです。
また、プレゼン資料を作るのを手伝っていただけた営業事務の皆様がいなかったら、一件も受注できなかったと思います。
大好きなこの営業部に恩返しをしていきたいので、来期も全力を尽くします。
引き続きご指導いただけますようお願いします」

このように、1分、2分というスピーチだったら、お世話になった方々に感謝の意を伝えて時間いっぱいです。
これで充分すぎるくらい心を打つスピーチになっています。

一方、自分をアピールするスピーチはどういう印象を与えるか?

これをもし、自己主張しかしない人のスピーチはどんな印象になるでしょうか?
「私は今期、昨年対比200%を達成しました。
40度を超える暑い日も、真冬の寒い日にも、毎日名刺を200枚配り歩いて努力を怠りませんでしたし、
うまくいかないときも、凹まず、営業の勉強をし続けました。
クライアント様からはキレイな資料だねと褒められることも多く、やはりお客様第一で仕事をし続けたら結果が出るのだと確信しました。
来期も営業部を牽引するトップ営業マンでいます。ありがとうございました!」

いかがですか?
聞いている人は、「ひとりで仕事をしていると思っているのかしら」と思うでしょう。

スピーチは感謝を伝える場。
難しくはありません。
ただただ、普段から感じている有り難さを言葉にするだけです。

まとめ

・スピーチは難しくないが、ルールがあると認識する
・場とリーダーに感謝する
・「お陰様」の精神で日々生きる